長いお付き合いのお客様がいます。
“福田さんの手はいつも温かくて気持ちいいね”
そう言って褒めて下さる方の旦那様は、重い心臓の病気でした。
その旦那様も何度かお会いしたので面識はあり、その頃は病気だなんて思えない程お元気でした。
日に日に病状は悪化し、循環の悪さから足がパンパンに浮腫んだ状態で、奥様は私のところへ連れていらっしゃいました。
奥様はこっそり私の耳元で
“もう長くないの。気休めでも福田さんに足をさすってもらえたら喜ぶと思うから。お医者様には了解を取ってあるから。お願い。”
私は動揺しながらも平常心を保ち、談笑しながら足を軽く触るだけの施術をしました。
その2週間後、旦那様は旅立たれました。
悲しみが少しだけ癒えた頃、奥様がご来店され、私に感謝の言葉をかけて下さいました。
でも私は、
私の手は何かお役に立てたのか
と、虚しさが残るだけでした。
もちろん私は医者ではないし、病気を治してあげることは出来ないとわかっています。
それでも、奥様は旦那様を私のところに連れて来てくれた。
その気持ちを思うと、私の方がお二人に感謝の気持ちでいっぱいになり、奥様と手を取り合って泣きました。
今でも、奥様は通って下さっています。
そして、他にも毎日出会いがあります。
一期一会。
この出会いを大切にしていきたいと思います。