私が初めて社会に出た17年前、今の若い子の初任給より6-7万円は手取りで多かったと思います。毎週末勉強会に参加しまくっていました。勉強すれど必ず上手く治療ができるわけでもなく、先輩からは学会発表や論文執筆など迫られ、毎日忙しく過ごしていたのを思い出します。
そんな中、同程度の怪我の方でも治りが早い人と遅い人がいる事に気付き、私なりにその差はその人の内側から溢れる『やりたい事があるかないか』でした。口だけで言う目標ではなく、内側から溢れる本当にやりたい事です。私のこの興味も、この差がどういったものから起こるのかを知りたくて、気がついたら理学療法の勉強ではなく、人間やその心理についての勉強にのめり込んでしまいました。
この頃より理学療法士たるもの、、、といつも言う先輩や同僚達とは少しズレた存在となっていきました。勉強は楽しく続けられたのですが、理学療法士を目指した当初の自分を見失った時期でした。
患者さんとの関係性構築はできるが治せない、治せたとしても一時的、戻ってしまう。『戻り』の原因が分からず悩む日々、家庭ももったため、どこかで『戻るのは仕方がない事』と思うようになってしまっていたと思います。今の若いスタッフの多くも勉強に使えるお金も少ない為、当時の私のような「諦めの心」を持つスタッフが多く、今思えばこれはきっと患者様にとっては不幸な出会いとしか言えないです。
私が運が良かったのは、心の根底にやはり「治せるセラピスト」でありたいとの思いを持ち続けることができ、『戻り』を起こさない体づくりの原理原則と出会った事です。
自分自身に自信を持てたし、患者様にも説明ができるようになりました。以前の私と出会い痛みが残る形で縁が切れてしまった方々の為にも、これから出会うお客様を大切にし、痛みでやりたい事に集中できずに悩んでいる方の役に立ち、私と関わる方の人生に彩りを持たせ、笑顔の花を咲かせられるよう関わっていきたいと考えています。