ヨガ教室では、学び始めたばかりの整体を取り入れ、参加者の方からは、身体が軽くなったと喜んでいただけるようになってきました。
一方、程なくして、父が体調を崩しました。日々、当たり前のように農作業をしていた父が、農作業どころか家の外へ一歩も出なくなりました。そして、温かい季節だったにもかかわらず、昼間から靴下を履いて布団をかぶり、ほとんど寝ている生活となりました。体調は、急な坂道を転げ落ちるように変化していき、数か月のうちに背中はほぼ直角に曲がり、要介護状態となりました。大きく湾曲した父の背中は、医療の力でも元に戻すことはできませんでした。
「背中が痛いんだよ」今にして思えば、よく父が言っていました。フルタイムで働いていたため、頻繁に実家に顔を出すことが難し状況でしたが、もっと父の言葉に耳を傾け、日々、農作業で疲労が溜まり、身体が悲鳴を上げていたことに早く気付いて、手当をしてあげていれば、父は今でも元気に農作業ができていたかもしれない。農業一筋で生きてきた父は、元気な頃は、収穫した野菜の出来が良いと嬉しそうに出荷の作業をしていました。父にとって、そんな当たり前な生活が送れなくなったことは、父本人が一番辛いんだろうと思うと、どうして手当てをしてあげなかったんだろうと、後悔の気持ちで一杯です。
その出来事をきっかけに、慢性痛の根本解消を専門とした講師のもとで、本格的に整体を学び始めました。
そして、ボランティアではなく真剣に治療に向き合うため、2022年の春、治療家としての人生を歩み始めました。